アーミッシュが大切にしていること

「アーミッシュ」が生まれたのは宗教改革の時代、聖書に基づいた信仰を見直すことから始まりました。

アーミッシュが大切にしていることは下記のようなことです。

自身の信仰を元にした洗礼によってキリスト教徒になること。

それまではキリスト教徒になるには物心付く前の生まれた直後に洗礼を受けるのが一般的でしたが、そうではなく、聖書の教えを理解した上で自分自身の意思でキリスト教徒になることにこそ意味があると信じています。

キリスト教にはいろいろな宗派がありますが、アーミッシュはアナバプテスト派(再洗礼派)の流れを汲むといわれいます。アナバプテスト派は教会の腐敗を幼児洗礼にあるとし(信仰を持たずとも教会のメンバーとなり、祭司ともなり得るしくみ)、信仰を持ってから、ちゃんと信仰告白であるバプテスマ(洗礼・浸礼)を行うべき、という立場の派です。すでにバプテスマを行っていた人たち(幼児洗礼によって)が、もういちど(「アナ」の意味)バプテスマを、大人になって信仰の告白とともに行う、というのがアナバプテストの由来です。

なのでアーミッシュの子どもはまだアーミッシュの教会のメンバーではなく、大きくなってからアーミッシュとなるかそれともアーミッシュとは違う生き方をするかを本人の意思で選びます。

コミュニティや家族を大事にすること。

彼らはなによりも家族やコミュニティを大事にして協力し助け合うあうことに価値があると信じています。

ぜひこちらもご覧ください『アーミッシュの助け合い』

俗世や俗的なものから離れること。

世の中にはもちろん良いこともある一方、悪い事への誘惑もたくさん溢れています。とくにアメリカだと自由も多い分、危険も多いです。そういったものから一歩離れて、信仰に殉じることを大切にしています。

虚栄心を満たす「個」を強調したり、傲慢になったりしないこと。

人間だれもしも、他者をないがしろにして自分勝手な行動をとってしまったり、見栄をはったりしてしまいますが、そういった「欲」に反対して慎ましく生きることを大切にしています。

絶対的な平和主義・非暴力主義

争いや暴力に通じることは絶対に行わない。これはキリスト教に基づく教えでもあり、絶対的な平和主義を大事にしています。

映画 刑事ジョン・ブック『目撃者』の中では、通行人にアーミッシュが因縁をつけられていたシーンがありました。アーミッシュはからかわれても平和的に、アーミッシュに扮するジョン・ブックを諌めていました。

が、ジョン・ブックは暴力で対抗してしまいました。その前代未聞のアーミッシュによる暴力事件と話題になってしまい、それがきっかけでジョン・ブックがアーミッシュに扮装して隠れているのがバレてしまうのですが。。またそれは別のお話。

アーミッシュの教会はコミュニティ内の家で行われることが普通です。

そして、仕事に対する職業倫理感がとても強いことでも知られています。自分たちの仕事に誇りを持っています。アーミッシュの家具職人も自分たちの作る家具が長く使われるように誇りを持って作っています。

また、そんなアーミッシュがランカスターに住む影響からか、ランカスターはアメリカの中でも人々の職業倫理感が強いことでも企業界隈からは知られています。(聞いた話によると、例えば横領などといった不正行為が圧倒的に少ないそうです。)

私たち日本人にはあまり聖書の教えについては馴染みがありませんが、彼らが大切にしている謙虚さや平和主義は日本人の文化にも馴染み深いものではないでしょうか?

アーミッシュと共に働き、日本文化にも理解ある人からこんな話を聞きました。

日本の昔ながらの文化や価値観にはアーミッシュが大切にしているものに通じるものがある。謙虚さや平和主義、家族や地域コミュニティの関係を大事にするところ。こういったものは、いつの時代もどこの国であろうとも、これからも人々が守って行くべき深い真実なのではないだろうか。ただ時代の変化で、そういったものが希薄な世の中になってしまったが、アーミッシュたちは自分たちの方法で、「愛」・「赦し」・「平和」といったことを守っており、今もコミュニティの中にしっかり存在していると。

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